事務所創立50周年
当事務所は、本年4月、創立50周年を迎えることができました。残念ながら当事務所の代表弁護士であった小沢征行は、創立50周年を迎えることなく本年2月28日に急逝いたしましたが、当事務所は今後とも成長を続け、発展したいと考えております。
当事務所の50年史を振り返るならば、昭和の時代(1974年から1988年)が黎明期だったと思います。メインのクライアントであったクレジットカード会社や都市銀行が業況を拡大する中、1986年に秋山泰夫弁護士が入所し、新たな法務相談や訴訟事件が増加しました。
そして、1990年から始まったバブル経済の崩壊が当事務所と小沢の運命を変えました。民事保全事件、民事訴訟事件および民事執行事件が驚くほど増加し、複数の弁護士が1日に何回も裁判所に足を運ぶこともありました。1990年代半ばからは、金融機関が仲介をするM&A案件が増加し、法務デューディリジェンスを実施する事案が多くなりました。
小沢は、昭和の時代から、将来の法律事務所には英語能力と外国法制の知見が必要になると考えて、当事務所の弁護士を米国のロースクールに留学させて、ニューヨーク州の弁護士資格を取得させることとし、90年代から2020年にかけて総勢7名の弁護士を米国に留学させました。
その後、1990年代後半から2000年代前半にかけて、資産流動化案件が増加し、複数の弁護士が昼夜を問わず、事務所で仕事に励んだことも懐かしい記憶として残っています。
また、1998年に大蔵省から監督部門が金融監督庁(現在の金融庁)として分離し、いわゆる金融検査マニュアルによるルールベースのレギュレーションが始まりました。この制度改革によって、多くの金融機関は、コンプライアンスを実現するための態勢整備に追われました。さらに、金融機関に対するレギュレーションについては、2005年に全面施行された個人情報保護法や2007年に全面的に改正されて施行された金融商品取引法などが、当事務所にとっても大きな業務拡大に繋がりました。
2010年代には、ゼネコンなどの新たな分野のクライアントも増え、業務範囲が広がりました。東日本大震災や新型コロナウイルスというパンデミックなどの災厄がありましたが、当事務所は、平坦ではなかったものの、順調に発展と成長を遂げて参りました。
最後となりましたが、当事務所の依頼者であるクライアントの皆さまやその他のすべてのステークホルダーに、心から感謝申し上げるとともに、今後とも所属弁護士と事務スタッフがより一層努力いたしますことをお約束いたします。