76期弁護士インタビュー

2023年12月に当事務所へ入所した司法修習76期の小野太郎弁護士・江口響弁護士にインタビューを行いました。(2025年8月1日実施)

小沢・秋山法律事務所を選んだ理由を教えてください。

【事務所が力を入れている分野に興味があったこと】

小野:学部時代は信託法と金融商品取引法のゼミに所属していて、金融やM&Aの分野に関心を持っていました。当事務所はその両方に力を入れている事務所だったので、自分の興味に一番合っていると感じて採用に応募しました。

江口:実際に入所してからも、両方の分野の仕事に関わることができていますよね。

小野:はい。でも、金融やM&A以外の分野に関わる機会も多く、今では多様な分野に興味を持つようになっています。

【面接で感じたアットホームな雰囲気】

江口:私が応募した年の採用面接は一次と二次があって、二次面接は応募者一人に対して、たくさんの弁護士が会議室にずらっと並んでいました。

小野:そうでしたね!すごく緊張しました。

江口:わかります。でも、面接が終わった後には、不思議と疲れていなくて、むしろ清々しい気持ちで帰宅できたんです。正直、それまでに他の事務所の面接も受けましたが、こんな感覚になったのは初めてでした。その経験が決め手となり、内定の連絡を受けたときは迷わず受諾しました。緊張感のある面接だったにもかかわらず、疲れを感じなかったのは、事務所の弁護士の方々が作り出すアットホームな雰囲気のおかげだと思います。

小野:私も事務所の一次面接・二次面接を通じてアットホームな雰囲気というのは感じました。

江口:私自身、法律事務所への就職活動を進めるにあたっては、「お互いの顔が見える規模であること」「風通しの良い雰囲気があること」を重視していたので、個人的な感覚ですが、当事務所は私の理想に合っていました。

入所後のOJTについて教えてください。

【入所直後から実際の案件対応に参加する】

小野:OJTと聞くとイメージが湧きにくいかもしれませんが、当事務所について言えば、「入所してすぐに実際の案件対応に参加し、その中で経験を積むことによって弁護士としての力をつける」というものではないかと思います。
私は、当事務所への入所直後、すでに2年ほど続いている複雑な訴訟に加わることになりましたが、その際、準備書面のファーストドラフトの作成を任せてもらいました。構成や参照する証拠・裁判例も、全て自分で考えさせてもらえ、そのドラフトについて先輩から添削やアドバイスを受ける、という流れでした。過去2年分の訴訟記録の読み込みが必要であり、また、それまでの当方の主張立証との整合性も意識しなければならず簡単な作業ではありませんでしたが、ファーストドラフトについて一生懸命に考え、先輩方と議論をした経験から得られるものはとても大きかったです。

江口:尋問も担当していましたよね。

小野:はい。その案件では最終的に主尋問も担当させてもらい、大変貴重な経験になりました。一緒に担当した先輩弁護士の尋問から学ぶところも多くあり、先輩方の指導を受けながら、この事務所でしっかり仕事をしていけば弁護士としての力量を向上させることができると感じました。

【質問・議論等を通じた成長の機会】

江口:最初は右も左も分からない状態でのスタートですが、先輩弁護士のワークブースに質問に行くと、先輩方は手を止めて丁寧に答えてくれます。

小野:私も同意見です。起案した書面に対しても細かくフィードバックをもらえるので、とても勉強になります。

江口:私たちはまだ入所して2年も経っていませんが、新人だからといって話を聞いてもらえないというようなことは全くなく、一人の弁護士として議論に参加しています。
二人ともDD(デューデリジェンス)の仕事にも関わる機会がありますよね。

小野:そうですね。最初は何から始めたらいいか分からない状態でしたが、会社から開示される資料を全部読み、気になったところをピックアップする作業から取り組みました。
登記簿や定款、契約書、決算書類などを読んでいくうちに、
1.会社がどのような決まりを作らなければいけないか
2.どんな会社と契約をしており、その契約内容はどうなっているか
3.会社がどう利益を生み、従業員に給与を支払っているか
といった、会社の構造や実態が徐々に理解できるようになりました。

江口:案件で一緒になった先輩方には、たくさん質問をしましたが、いつも丁寧に回答してもらい、あるいは一緒に考えてもらい、多くのことを学ぶことができました。

小野:当然、弁護士になりたての頃はわからないこともたくさんありましたが、先輩方と一緒に案件に取り組みながら、質問したり自分で勉強したりすることで、少しずつ理解できるようになってきたと思います。まだまだこれから勉強しなければならないことがたくさんありますが、真摯に取り組みたいと思います。

どのような環境でお仕事をしていますか?

【専用のワークブースだが、コミュニケーションはしやすい】

江口:当事務所では、パーテーションで区切られた一人ひとり専用のワークブースがあります。

小野:私は本が好きでよく購入するのですが、ブースにはキャビネットや本棚があるので、整理して収納できるのが嬉しいです。

江口:嬉しいですよね。あとは閉鎖的すぎないので、質問にも行きやすいですし、先輩の議論や電話対応も聞くことができます。

小野:電話対応は最初、とても緊張しました。でも先輩方の対応を見ながら、お客様との接し方を学ぶことができました。

入所してから今までどのような仕事に関わってきましたか?

【M&A案件】

小野:私はこれまでM&Aの案件に計7件ほど関わらせていただき、特に建設会社の案件が多いです。建設業法は、弁護士になるまで触れたことがなかったので、一から勉強しました。
建設業法や下請法など各種業法について先輩弁護士と議論し、法令やガイドライン、文献を検討するなどしました。それでも問題点、疑問点等が解消されない場合は所管省庁に解釈を尋ねるなど、多方面にわたる調査をしながら検討を進めました。
実際に経営者の方へのインタビューや、報告書のドラフト作成にも関わることができ、大変勉強になりました。

【金融案件】

小野:金融分野では、A社の新しい形式のファンド立ち上げに関する相談で、金融商品取引法の規制内容を調査する仕事がありました。規制を理解するため、施行令や内閣府令も確認し、パブリックコメントなども参照して検討しました。
また、B社で新サービスの利用規約作成にも関わり、法律上の規制や各条項の意味を先輩弁護士と議論しながら丁寧に作成しました。良い学びの機会になりました。

江口:小野先生は金融関係の刑事弁護を担当したこともありましたよね。

小野:はい。珍しいケースですが、金融分野の中でも色々な種類の仕事に関わっています。

【契約書のチェック】

江口:私は、業務委託契約、売買契約、賃貸借契約、秘密保持契約など、さまざまな契約書のチェックに関わりました。契約書の解説書などには「事業や商品によって着目すべきポイントが異なる」と書かれていますが、実際に多くの契約書を見ることで、その意味を実感しました。
お客様からは、新商品の開発が法に抵触しないかなどの相談や、トラブル対応の相談もあります。

【幅広い分野の訴訟】

小野:訴訟では、労働関係や債権回収、銀行関係、同族会社内部の紛争など、バラエティーに富んだ事件を担当しています。

江口:私はシステム開発や建築に関する事件、デジタルフォレンジック調査を行う事件などにも関わっています。企業対企業だけでなく、不貞行為に基づく慰謝料請求や共有物分割請求など、個人のお客様の一般民事事件にも関わることができています。

【仮差押や刑事弁護】

江口:その他にも、権利能力なき社団による不動産の仮差押や、当事務所の業務ではありませんが刑事弁護も経験しました。

お二人とも色々な仕事を経験されているのですね。

【さまざまな仕事に関わりながら成長できる】

小野:当事務所では、まず分野を問わずいろいろな事件に関わりながら自分の適性を考えていくスタイルで、どの仕事もやりがいがあり面白いです。

江口:わかります。司法試験では勉強してこなかった分野についても検討しなければならないことが多いですが、知らなかった分野について調査し検討することを通じて得られる新鮮な感覚や充実感は私にとってとても大きな意味があります。

小野:興味のある分野が事務所の強みと合う方にも、まずはいろいろな分野にチャレンジしてみたいという方にも、当事務所はフィットするのではないかと思います。

イベントや行事はありますか?

【中原顧問(元㈱三菱UFJ銀行初代法務部長)による勉強会】

江口:月に1回程度、中原顧問による勉強会が開催され、金融実務を学ぶことができます。中原顧問は、若手弁護士にも最新の金融実務にキャッチアップできるように講義してくださいますし、先輩方のご経験も踏まえた中原顧問への質問や議論を聞くこともでき、とても刺激的です。

小野:当事務所は、勉強することを積極的に奨励してくれるので、弁護士会の研修等も含め、事務所内外のリソースを活用しながらさまざまなことを学べる環境が整っていると思います。

江口:これからも日々学んで行きたいと思っています。

【新年会等の事務所行事や企画行事】

江口:新年会や忘年会、納涼会といったイベントもあり、普段あまり関わらない先生ともお話しできます。副代表の吉岡弁護士はよく飲みに誘ってくださいますし、ある弁護士の企画で釣りに行ったこともありました。

小野:私は予定があって釣りには行けなかったのですが、次回は絶対参加したいと思っています。先輩弁護士ともたくさん話せる機会があるので、業務のときもコミュニケーションが取りやすく、事務所の風通しの良さにつながっているなと日々感じています。

江口:ちなみに、全くアルコールを飲まない弁護士もいるので、このインタビューを見ている修習生の皆さんは、「お酒が飲めないとダメなのか」と心配する必要はありません!

仕事とプライベートは両立できていますか?

【時間の使い方や休暇について】

江口:代表の香月弁護士は早朝から事務所におりますが、お昼前くらいから出勤される先生もいて、時間の使い方は自由だと感じます。私は朝型なので、早めに事務所に出て早めに上がり、その後プライベートの予定を入れることもあります。子どものお迎えのために早めに事務所を出る弁護士もいます。

小野:土日祝は基本的に休みなので、ジムでキックボクシングをしたり、映画を観に行ったり、美術館に行ったり、遠出して美味しいものを食べに行ったりしています。業務の状況を見ながらではありますが、長めの休暇を取ることもできます。